「脊椎分離症(せきついぶんりしょう)」は、
簡単にいうと椎骨の関節の一部が一種の骨折を起こし、分離した状態をいいます。
X線写真では、椎骨の後ろ側にある上関節突起と下関節突起の間が
切れているように見えます。
昔は、この切れ目は先天的な異常と考えられていましたが、
現在ではストレスが重なって 疲労骨折を起こしたという説が有力で、
特に成長期にはげしいスポーツをした人に多く、10代から痛みがあらわれます。
しかし脊椎分離症があっても、必ずしも痛みを起こすとは限りません。
「変形性腰椎症」は、
主に椎間板の変性によって起こる症状で、
朝起きたときに腰が痛む、こわばってよく動けないといった症状で始まります。
椎間板は 老化とともに弾力を失い、やがて背骨にかかる圧力のためにつぶれていきます。
これに刺激され椎体の周囲には骨の増殖が起こり、小さなとげのような出っ張り
(骨棘(こつきょく))が形成されます。
背骨の後ろ側には、脊髄を通す太いパイプ(脊柱管)が通っており、
この脊柱管が異常に狭くなって神経を圧迫するのが、
「脊柱管狭窄症(きょうさくしょう)」です。
原因は、先天的なものと、
脊椎すべり症、変形性腰椎症など腰の病気や、
動脈性閉塞のため下肢の血行不良などが考えられています。
筋肉由来の緊張性腰痛の場合、 腰周辺の筋肉を鍛えることで予防することができます。
有効なのが、腹筋と背筋を鍛えること。
今まで全く鍛えていなかった人が、いきなりハードなトレーニングをすると、
身体を痛めたりして逆効果になってしまいます。
簡単な腹筋トレーニング
仰向けに寝て、両膝を立てます。
お臍が見えるくらいまで、上体を上げていきます。
無理のない範囲でこれを数回行っていきます。
重度の腰痛の場合は、医師に相談してから行うことが必要です。
朝の通勤時、駅や会社に向かってせかせかと歩くことも
うまく活用すれば、デスクワークに伴う腰痛を防ぎ、解消するのに役立ちます。
歩くことは
筋肉や 背筋、臀部や足の筋肉など、
腰椎と骨盤を支えるさまざまな筋肉をまんべんなく鍛えますし、
手と足を逆に振り出す動作は、腰ひねり体操をしているのを同じです。
腰痛予防、腰痛対策のいろいろな体操のなかでも手順を憶える必要がなく、
いちばん実行しやすいのが歩くことなのです。
腰痛の予防には、1日5000歩を50分くらいで歩けば十分です。
長続きするためには、目標を高く設定せず、
最初は1日2000歩を20分くらいで歩くことから始め、
慣れてきたら歩数を増やしてください。
家から駅まで10分以上かかるなら、
はじめはその間を往復するだけでいいのです。
ただし、 2000歩を20分で歩くのは、
男性なら分速90〜100m、女性なら80〜90mのスピードになり、かなりの早足です。
電信柱はおよそ50mおきに立っているので、
男性なら3本の電信柱の間を1分ほどで歩くのが理想的です。
一度時計ではかり、歩く早さを体で覚えましょう。